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第三回日本電磁波エルネギー応用シンポジウムを終えて
2009 年11月18~20日
場所 東京理科大学森戸記念館 にて開催
シンポジウムにおいてこれまで我々が指摘してきた電子レンジによる調理加熱の問題点を再確認できる学術的な研究が独立行政法人、産業技術総合研究所から2つの論文が発表されている。
【論文の題名】
1.マイクロ波帯における有機材料の複素誘電率温度の相関
2.エステル化反応及び重縮反応進行に伴う複素誘電率変化のその場の測定
複素誘電率とは、マイクロ波によって化学反応、合成、分解等を行う実験において、これまで温度の制御の安定性に問題があり、一定の出力によって加熱しても高温に暴走する事例が多い。
マイクロ波による加熱は、分子間摩擦による昇温効果であり、マイクロ波による有機物質の加熱は、有機物質の分子構造によって誘電率が異なる。同じ物質においても温度の変化によって分子構造の違いが生じる場合があり物質の誘電率に変化があり安定しない。この現象は複素誘電率によって表現される。このことがマイクロ波加熱の暴走の原因となる。
この現象は論文1に示されている。また有機物質の複素誘電率は化学反応による、物質の化学反応の状態と、温度によって、大きく変化し、反応の進行に伴い系内の構成分子が変化することによっても誘電率は変化する。その結果、物質内部の温度むらが生じたり、熱暴走が生じる原因にもなる。この事例は論文2に示されている。
有機物質のマイクロ波加熱と複素誘電率の問題はこの2編の論文はほんの1例にしか過ぎず、完全に全体が解明されたとは言えず、他にも類似した原因が学術的に未解決の状態である。
電子レンジ使用上の問題点と危険性
電子レンジの加熱の問題点や危険性についてHPのなかでもこれまで指摘してきた。 例えば、電子レンジ対応が可能とされている樹脂系の容器、ラップ類は食材を入れない状態では複素誘電率の問題は生じにくい、しかし、ソース類や脂質、高濃度の塩分などが樹脂やラップと密着していると複素誘電率が生じやすく、高温に暴走し、焦げが生じている。容器やラップ類の溶融温度超えている場合がある。
電子レンジで食品を加熱する場合、食品の化学成分の違い及び、食品中の化学物質の化学反応の状態の違いによって複素誘電率は大きく異なり、食材の外観では見えたとしても、局所的な加熱むらが起きやすい。
メーカーがレンジ対応の容器の許容温度を超える発熱が生じやすく、この場合は容器の溶融が生じる。溶融した樹脂系の素材と食品が一緒に混ざり合い人々の口に入る。
同時に炭素系の素材を利用した場合も同じ問題が生じている。
コンビニエンスの総菜類は、ほとんどが樹脂系素材によって包装され、そのままレンジ加熱され販売されている。
磁性鍋はこのような危険を回避するために電子レンジのマイクロ波の波長を転換し、分子の振動波長によって調理品を加熱する食品の安全な調理を推進している。
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