メタボに効果!磁性鍋で分子ガストロノミー調理の実践
Ⅲ.電子レンジのマイクロ波による食品加熱のタンパク質への影響と磁性鍋の赤外線加熱の効果の違い
- マイクロ波は食品に含まれているタンパク質に大きな影響を与えている-
最近の文献を調べると必須栄養素のタンパク質に関する研究が掲載されていた。
タンパク質 は20種類存在するL-アミノ酸が鎖状に多数連結(重合)してできた高分子化合物であり、生物の重要な構成成分である。分子量4000前後のものから、数千万、億単位の分子量を持つタンパク質まで、多種類存在する。タンパク質はL-アミノ酸が立体構造で結びついている高分子である。この立体構造は、水素結合や分子間力による畳み込み(folding)によって構成されている。
タンパク質は、炭水化物、脂質とともに三大栄養素と呼ばれる。タンパク質は身体をつくる役割を果たしている。
マイクロ波によってタンパク質を加熱すると、マイクロ波による分子回転運動が、アミノ酸を立体構造で結びつけている、水素結合や分子間力に作用し、畳み込み(folding)が外れ、タンパク質が変性する。
タンパク質は赤外線、波長3.8μm~11μmに吸収波長が存在する。特に、アミノ酸を結合させているアミド基に大きな赤外線吸収(波長5.8μm~6.2μm)が存在する。タンパク質に赤外線を照射すると、アミノ酸の結合が強化され、タンパク質の変性を防止する。
磁性鍋を用いて食品を赤外線調理すると、赤外線調理によってタンパク質の変性を防止し、人体に好影響が生じる。反対に電子レンジのマイクロ波加熱では、タンパク質が変性する。
参照文献
1.Microwave-enhanced folding and denaturation of globular proteins
Hnerik Bohr and Jakob Bohr
The Technical University of Denmark, Denmark
Phyiscal Review E, volume 61, Number 4 April 2000
2.The effect of Microwave Thermal Denaturation on Release Properties of Bovine Serum Albuin and Gluten Matrices
Ranin J. Qasem
University of Jordon, Jordon
AAPS PharmSciTech 2006(1) Article 15
3.Infrared Spectra and Prtein Conformations in Aqueous Solutions
H.Susi, Serge N. Timsaheff and Linda Stevens
U.S. Department of Agriculture, Eastern Utilization Research and Development Division, Philadelphia Pensylvania 19118 USA
The Journal of Biological Chemistry vol.242 23 Issue of December 10 1967
4.Review, The infrared absorption of amino acid side chains
Andrea Barth
Johann Wolfgang Goethe Universitat Frankfurt am Main Germany
Progress in Biophysics and Molecular Biology 74(2000)141-173
食品や調理品をマイクロ波で直接加熱すると生じる障害について、正確に記載されている事例は少ない。
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