メタボに効果!磁性鍋で分子ガストロノミー調理の実践
エネルギーの巨視的量子トンネル効果
波長の密度を黒体輻射以上に輻射する方法はマイクロ波2.45GHzを磁性体に照射したとき生じる誘導加熱と渦電流損が生じ、磁化が増幅し磁性体のスピンの励起によって赤外線、遠赤外線の波長に転換してとき波長の密度が高くなる。従来、熱エネルギーは黒体輻射によって示されている。その時の熱エネルギーは熱輻射する波長の領域のなかで、波長のエネルギー密度を積分した総量である。物質は全て異なる吸収波長を有しており、有機の合成、分解、反応、重合、無機物質の合成、溶融、結晶、加工には最適吸収波長による加熱が必要である。物質の最適加熱温度の状態で物質が有する吸収波長領域に整合する波長を高密度で熱輻射し吸収させると熱効率は高くなる。
黒体輻射で示されている温度のなかで波長の領域を吸収波長の領域に整合させ、波長密度を上げる方法を研究のテーマとした。従来、低エネルギーの赤外線、遠赤外線はトンネル効果が生じないとされていた。マイクロ波を磁性体に照射し、波長転換によって、黒体輻射以上のエネルギー密度で、赤外線、遠赤外線を輻射し、有機物質の吸収波長に同調させ常圧状態下で巨視的トンネル効果を考察した。
【実験】
エネルギーのトンネル効果を有機物で検証した。有機物と水の吸収波長は2.5μm~20μmでありこの波長の領域を輻射する磁性体は、Mn-Znフェライト、キュリー温度200℃を選んだ。渦電流損が生じ磁性体のスピンを励起させるため、磁性体の容器は凹面上の構造にした。実験装置をFigure 1に実験結果をFigure 2に示す。
Figure1のセラミック容器A、Bは内部に同一組成のMn-Znフェライトを平均10μmの粉体にし薄膜状に厚さ20μmで焼結した。セラミック容器Bの内部に石英ガラスのビーカーEを入れ、その中に純水200ccを入れ、ビーカーの中に三角フラスコFを入れ、その中に牛乳50%、トマトジュース50%を混合した液体50ccを入れ、コルク栓でビーカーの水と混合しないようにした。容器全部を電子レンジに入れ、マイクロ波2.45GHz、0.7kWを磁性体Aの容器の外部から照射した。この状態で温度の上昇を計測した。磁性体容器Aの温度a”、磁性体容器Bの温度b”、ビーカーEの水温上昇をe’、三角フラスコF内のトマトジュースと牛乳の混合水の温度上昇をf’とした。
その測定結果をFigure 2に示す。実験によって三角フラスコF内のトマトジュース、牛乳の混合水が最も温度上昇が速く、次にビーカーE内の水の温度が上昇した。磁性体容器の温度上昇はAよりもBの方が速く、温度上昇の関係はf>e’>b”>a”の関係を示した。この現象は赤外線の多くがビーカーの水を透過し、三角フラスコ内のトマトジュースと牛乳の混合水に吸収されていることを示している。乳製品、トマトジュースには脂質、タンパク質アミノ酸、ビタミンを含有している。水の吸収 波長は2.5μm~3.5μmと6.5μmの Figure 1 小さな吸収波長がある。
乳製品、トマトジュースの吸収波長の領域は3.5μm~20μmに広く依存し、この波長の領域が磁性体から輻射する波長と吸収共鳴を起こし、エネルギーの巨視的トンネル効果を示している。磁性体容器は凹面構造であり、マイクロ波を照射することによって渦電流が生じ、磁化が増幅する。渦電流損は容器内部の半径が小さいほどドリフト速度が速くなり、磁性体Aよりも磁性体Bの方が磁化が高くなり、渦電流損による温度上昇が早く高くなる。渦電流によって誘導される磁化によって、磁性体のスピンが励起し、マイクロ波の照射によって Figure 2 赤外線、遠赤外線が黒体輻射以上に増幅され輻射している。
【まとめ】
実験の容器A,Bは外部から熱エネルギーを吸収し、内面から輻射し、三角フラスコの有機物に吸収している。容器A,Bは熱輻射しているがセラミック材の断熱効果が有効に働き、外部への熱輻射を少なくしている。ビーカーの水は一部の波長を吸収し、全体から輻射する波長の選別ができると同時に三角フラスコ内部の温度制御の効果を持つ。エネルギーの巨視的トンネル効果は輻射する波長の領域と磁性体の選択によって、有機物、無機物の外部加熱の熱効率の改善に結びつく。この加熱方法はCO2の発生はなく、有機物質の合成、分解、反応、重合、無機物質の合成、溶融、結晶、加工などの加熱によるエネルギー環境の改善に役立つ。
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