CREATIVE COOKING COLUMN
日本料理を食べない日本人
日本のガン罹患者の数は1980年代では年間約35万人、米国では120万人とされていた。人口比では日本が1億人に対して30万人、米国が50万人である。
21世紀に入り日本人のガン罹患者は年間65万人に増加した。
この数字は米国の年間罹患者と変わらなくなっていることを示している。
食生活の傾向が米国と何ら変わらなくなっているとガン罹患率から判断できる。
米国では2000年と2005年では5%ガン罹患者が減少している。
日本は増加であるが米国は減少している。
米国は国を上げてガン予防に食生活の重要性を呼び掛けておりその効果が見られることを示している。
この10数年間に多くの健康に関する情報や警告が雑誌、新聞で掲載され、、テレビで放映されているにもかかわらず、日本では減少ではなく、増加である。
メタボリックシンドロームも同じである。
血中インスリンの増加は大腸ガンの罹患率を高める。メタボリックシンドロームは血中インスリンを増加させる※。
※国立ガンセンター予防研究チームの発表
日本人は基本的に健康的な日本食を摂取していれば、このような結果に結びついていないはずであるが、健康的な食事のあり方を認識されていないことをこのデータが示している。
■ガンを予防する野菜
アメリカのガンを予防する食事の指導では、以下の3点を上げている。
1.野菜の摂取量を一日350g以上にする。
2.出来るだけ、動物性脂肪の摂取を控えて魚の脂肪を摂取する
3.日本料理の摂取
野菜の摂取を進める主な理由は、どのように健康な人でもガン細胞は日々作られ、自己機能によって消滅させ健全な細胞が維持できる、その機能を維持するには野菜に含まれている多くの成分が欠かせないからである。
ガン細胞を増加させる要素は、
・ウイルス感染
(胃ガンのピロリ菌、子宮癌の2型ヘルペスウイルス、皮膚癌のパピローマ菌、
肝臓ガンのB型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、成人T細胞白血病ウイルス)
・化学物質
・放射線
などの3点が酸素ラジカルによりガン細胞を増殖とさせるとして上げられている。
その中和的要素から野菜の摂取が進められている。
野菜に含まれているガン予防の主な機能には、次の3つがある。
・遺伝子DMAの修復機能、
・毒素や異物を解毒する機能、
・活性酸素を除去する機能
ガンに対して直接的にも間接的にも野菜の摂取は大切であり、野菜の種類とその摂取の方法によって効果に違いが見られる。
大切なことは、
・野菜の種類の選択、
・野菜の品質の選択、
・品種の組み合わせの選択、
・食べる野菜のどの部位が効果的か、
・どのような調理加熱が効果的か
等が指摘されている
それぞれに野菜には、形状の特長があり、色調の違いがあり、味覚に違いがあり、四季がある、調理のなかで効果的な野菜の組み合わせができることが予防に繋がる。
この組み合わせは、ガン予防だけではなく、他の生活習慣病にも効果的である。
■日本料理と野菜
日本料理の良さは世界が認めており、健康に効果的とされている良さとは
・野菜の摂取量の多い
・野菜の種類が多い(一年中を通して種類が多い)
・野菜を加熱して摂取する調理が多い、(加熱することから吸収率を高めている)
・四季に合わせた野菜の料理が多い(旬の野菜が四季によって異なる)
・野菜の特長を生かし、素材の味覚を引き出している
(低温から味覚を引き出す料理)
・野菜の基礎栄養成分を生かしている
・多種類の野菜を組み合わせた調理が多い
野菜を多く食べることがすすめられており、そのためには生よりも加熱する方がよい。
日本人は昔から生では食べていない。
根菜類は重量があり、組み合わせで多くの量が簡単に摂取できる。
葉の野菜は加熱すると重量が減少する。減少の激しい野菜はホーレン草、小松菜、蕪菜などで初期の重量の30~40%に減少する。
漬け物は、減塩が大切で、発酵させることから効果的な摂取に変わる。
以下の野菜には3つの癌予防の要素を多く含有しており、一品入れる工夫から調理をすると簡便である。
◆癌を予防する野菜
野菜 | 日本の旬 |
蕪菜の花芽が出ている菜花類 | 12月~3月 |
ブロッコリー、カリフラワー | 10月~5月 |
小松菜 | 11月~3月 |
水菜 | 11月~3月 |
ニンニク | 5月~2月 |
タマネギ | 4月~10月 |
キャベツ | 年中栽培されているが旬は11月~5月 |
さらに、以下の野菜と組み合わすと一層効果的な食生活が出来る。
豆野菜 | キヌサヤ | インゲン | スナックエンドウ |
ニンジン | ニンジンの葉 | ゴボウみつば | せり |
青シソ | ダイコン葉 | シシトウの葉 | パセリ |
生薑 | 葉生薑 | 春菊 | ピーマン |
レッドピーマン | アスパラガス | 山菜類 | ウド並びに茸類 |
多くが日本料理として加熱して食べる野菜であり、漬け物にも多く利用されている。
四季の香りや色彩も美しく、形状にも特長が多い。
■野菜を食べなくなった日本人
厚生労働省の調査では日本人の野菜の摂取量は目標値の350g/日に対して260g/日、日々約90gの野菜摂取量が目標値よりも少なくなっている。ガン罹患者が多くなっている原因である。では何故、菜食を好んでいた日本人が野菜の摂取量が減少したのか!
その原因は以下の要因がある。
・野菜が不味くなった。
・野菜の料理は下処理の手間がかかる。
・家庭調理の伝統を教えられていない。
・美味しい野菜料理の方法を知らない。
・家庭で調理する人が少ない。
・野菜の煮付ける料理が少なくなっている。
・加工品や肉類が安く販売されている。
・中食、外食が多い
日本の食文化の伝統は野菜の調理が多いことに特長があるが、健康への影響と共に伝統食が危なくなっている。
気になること、質問なんでも歓迎!お待ちしています!