CREATIVE COOKING COLUMN
認知症、寝たきりの原因メタボリックシンドローム
■ガンよりも苦痛?認知症
30才代から50才代の女性のが罹患したくない疾患のナンバーワンは、ガンではなく、認知症としている。多くの女性は若年認知症(40才代~50才代)に罹患することだけは避けたいと願っている。
女性の声が多いことは、認知症が特別の人が罹患する疾患ではなくなっていることを示している。
同じ町内や知人などの普通の生活のなかで罹患者が見られ、その生活実態を見たり、聞くことができ、苦労話しの実状はテレビの話ではなく実態を間近に見ると「自分だけは避けたい病」と願うのは当然である。
人格を失った両親の姿や身内を看取ることは寂しく、切ない、そして辛く、その上に経済的な負担が重なる。
回復の希望がもてない看病が続くことは一層辛い。
米国でも、大金持ちや成功者の多くが、アルツハイマーに罹患することを避けたい疾患の第一に上げている。
自分自身の人格が喪失することが何よりも耐えられない苦痛であると訴えている。
米国人が成功する姿は、人格の尊厳と尊敬にあり、膨大な資金を自由に運営することであり、アルツハイマーによる人格の喪失は、これまで積み上げてきた努力の全てを失うからである。米国では、アルツハイマーの罹患者は年間7%の割で増加しており、80才以上の高齢者の1/2がアルツハイマーに罹患しているとする報告がある。
長生きは喜ばしいが反面、アルツハイマーの怖さと背中合わせである。
◆認知症予測データについて
平成6年の厚生省が提出している認知症の予測データは、2010年、30万人、2025年には40万人と予測していた。(当時は認知症を痴呆として表現していた)その10数年の現在、平成16年の正確な認知症のデータは得られないが遙かに患者数は超えている。一説では、平成18年現在、既に150万人を越えている云われている。
厚生労働省が提出している最近の予測では2025年には310万人と大きく予測を変更している。平成6年のデータから見ると約7.75倍に増加している。
人口の予測データなどが大きく変更される例は見られないが、厚生労働省が提出している国民の健康に関するデータが、なぜこれほどまでに予測から懸け離れ、大幅に変更が必要になった経緯に付いては、書かれていない。
「健康日本21計画」が挫折した原因を正確に示す必要がある。
■メタボリックシンドロームが認知症を増加させる
認知症は高齢化と共に増加し、過去の予測以上にメタポリックシンドロームの増加が認知症を増やす要因の一つと予測できる。
認知症は下記の、
アルツハイマー病 | 脳腫瘍性疾患、脳感染性疾患(ヤコブ病、脳炎、クロイツフェルト) |
脳血管疾患(脳梗塞、脳出血)レビー小体型認知症) | 内分泌の代謝性 |
脳外傷性疾患(脳挫傷、脳内主血、慢性硬膜下血腫) | 中毒性疾患(甲状腺機能低下症、下垂体機能低下症、ビタミンB12欠乏症、肝性脳症、脱水、アルコール脳症等) |
脳腫瘍性疾患 | その他水痘症等 |
の疾患から脳の機能に影響する病である。しかし、多くが正確な原因が解明されていない。栄養不足から生じるボケ、薬の常用による症例、糖尿病等の疾患の悪化や脳血管疾患から生じる症例など様々であるが、患者数に対して精神内科の専門医不足から多くの罹患者が正確な診断を受けられていないのが現実である。
最近では若年性認知症の一つピック症も話題になっている。
初期の段階で正確な診断を受けることが軽度障害で悪化を防ぐ方法や改善への近道とされているが、治る可能性のある疾患も適切な治療を受けられていないために、一度罹患すると不治の病として処理されている例が多い。
認知症の疾患にはメタポリックシンドロームの疾患、糖尿病や脳血管疾患の症例の悪化から認知症に移行する患者数が増加している。
メタボリックシンドロームは自身の生活習慣が原因で罹患する場合が多く、自身で予防が可能な疾患である。認知症も症例によって自身の生活習慣から予防が可能な要素があることを示している。
■アルツハイマー病の現状
アルツハイマー病の原因はまだ正確に特定されていないが最近の研究ではアミロイドタンパクの沈着の進行が原因とされ、脳内のアミロイドは加齢と同時に増加していくとする報告もあり、アミロイド沈着に関する研究はこれからの課題である。
米国のアルツハイマーの罹患する高い条件を以下の事項を示している
・動物性の食品の内、魚類の摂取率の少ない場合、
・野菜の摂取量の少ない場合、
・赤葡萄酒の摂取量が多い
米国の警告から判断すると、暴飲、暴食、野菜の摂取量の不足、肉質の脂肪の摂取過多等が指摘されており、メタボリックシンドロームの罹患の原因と大変類似しており、アルツハイマーも食生活から予防が可能であることが判断できる。
日本の認知症の内アルツハイマー病の比率は全体の約60%とされている。
■若者に頼る社会の矛盾
仏教では生きることは行としているが、介護の仕事は、日々が正に行であり、仏心を宿さなければ出来ない厳しい行である。
何時の時代にも若い人々を批判する言葉に「今の若い者は!」と吐かれるが、多くの介護施設には若い男女の介護士やヘルパーさんが多く見られ、介護の姿を見ると
「今の若い者は」として批判する言葉は出てこない。
忍耐を笑顔に変えて黙々と耐える姿には、頭が下がるばかりである。
これまでの日本のどのような施設や産業界に従事していた人々には見られなかった清らしさがある。
若い看護士の方々の清々しい姿には何の疑いもなく敬服するが、全てを若い人々に強要している社会構造の歪みにやりきれない虚しさを感じる。
認知症の原因の一つが、好き放題に飲み、食べ過ぎ、食い散らかした結果として罹患しているのであれば、その介護を若い人々に全てを委ねることは、あまりにも矛盾が多い。
介護施設は介護士の人々にとって華やかな現場はなく、優遇された現場でもない。
そして何よりも低賃金の職場であることを知っていただきたい。
決して勝ち組とされている高賃金を得る人々の職場ではない。勝ち組として贅沢三昧の際には、現場を低賃金で管理している一部の経営者に偏っている構造にこそ矛盾がある。
気になること、質問なんでも歓迎!お待ちしています!